ヘアカラー後の髪をどう守る? 染めた後の中国ヘアケアニーズとは

鮮やかに、思い思いのカラーに髪を染めて自身の個性を発揮している中国の消費者たち。

しかし、そこに伴うのは新たな髪の悩み。ブリーチやカラーリング後の髪のダメージである。

中国のファッショナブルな消費者たちはどのようにその悩みを解決しているのだろうか?引き続き、中国SNSのクチコミから探ってみよう。


▼前回までの記事はこちら
輝きを増す中国消費者 個性をより引き立たせるセルフヘアカラー市場
中国セルフヘアカラー市場 人気の髪色は?


日常的なヘアケアに内包されるカラー後のケア

これまで「セルフヘアカラー」や「ヘアカラーの人気色」などについて見てきた中国ヘアカラーニーズ調査。

最後はヘアケアである。

 

前回も紹介した中国トレンドExpress編集部と数慧光(上海)商務諮詢有限公司によるヘアカラークチコミチェック、小紅書(RED)での各内容のノート数を再度チェックしてみよう。

【グラフ】小紅書上のヘアカラーに関するノート数

出所:数慧光(上海)商務諮詢有限公司調べに基づき中国トレンドExpressにて作成

これを見ると、意外に少ないのが「ヘアカラーケア」に関するノート投稿である。

また今回のWeibo上のクチコミでも、取得できたクチコミは3者の比率でも最も少なかった。

【グラフ】Weiboセルフヘアケアに関するクチコミ比率

出所:数慧光(上海)商務諮詢有限公司調べに基づき中国トレンドExpressにて作成

これだけ見ると、カラー後のヘアケアに関しては悩みがないのかというと、実はそうではなく、小紅書でヘアケアに関する「護髪(ヘアケア)」というキーワードで検索をかけてみると、実に50万件近くのノートが表示される。

 

その多くがヘアケア手法やヘアケア用品に関する紹介記事で、ヘアカラー後のケアに関してもこうした中に含まれていると予想できる。

 

ウェブサイトの記事でも「ヘアカラー後の悩みをどのように解決するか」といった記事も見受けられ、日本と同様にダメージによる「パサつき」、「途切れ」などの解決方法が紹介されている。

 

興味深いものとしては「イラクサ(蕁麻草)」エキスによるヘアケア。イラクサには髪質を整える成分が含まれており、そのエキス髪や頭皮に塗ることでヘアケア効果がもたらされるというもの。

さすが「漢方」発祥の地である中国らしさが見て取れるが、近年の安全で健康的な「植物成分」ブームの影響も見て取れる。

 

それ以外にも、「ヘアケア剤にオリーブオイルを混ぜる」や「ヘアパックに白酢を混ぜる」といったものも見え、あの手この手でのヘアケアを行っている様子だ。

クチコミで見るカラー後のヘアケア

参考までにヘアカラー後のケアについて、Weibo上のクチコミワードを見てみよう。

【表】ヘアカラーケアに関するWeiboクチコミワード

出所:数慧光(上海)商務諮詢有限公司調べに基づき中国トレンドExpressにて作成

クチコミで上位に挙がっているのは「シュワルツコフ」であった。

初回、セルフヘアカラー剤の人気ブランドとして登場しているが、同時にシャンプーやトリートメントなどのヘアケア商材も販売している。

3位の「専門」というキーワードが登場するように、ヘアケアの専門ブランドとしての認知が高く、ヘアカラーなどとワンセットで使用されるケースが多い。

「施華蔻(シュワルツコフ)×護髪(ヘアケア)」の小紅書検索を行ったところ2万件超のノートが投稿されており、いずれも高い効果が紹介されている。

 

「パンテーン」も同様で、同ブランドはシャンプー、コンディショナーで高い人気を有しており、そうしたブランドイメージからヘアパックなどの高級ヘアケア商材も購入されている。

 

また興味深いのは「エクステンション」や「かつら」などというキーワードである。

ヘアカラーの際にもあったが、近年はファッションとしてのヘアエクステンションも広がっており、カラー後の髪のパサつきなどをエクステンションやかつらなどを絡めて目立たなくするといった手法が使われている様である。

 

また下位には「リスク」や「髪を切る」といった表現が見え、悩んだ挙句に最終手段で「髪を切る」といった手段をとるケースがあるようだ。

 

現在中国では多くの面でより安全性(ダメージが少ない)の高い商品が求められており、植物由来などの成分も注目されている。

ヘアカラーやヘアケアにおいてもそれは例外ではなく、ダメージ無く、健康的なファッションをというニーズが高いと考えられる。

 

日本のブランドは同様のニーズにおいては技術、経験も蓄積されている。そうした魅力を丁寧に発信していくことで、市場開拓が望めるだろう。

今回Global Compassでは、中国消費者に関する最新動向をレポートにまとめました。

変わり続ける中国のマーケティング環境のなかで、日本企業が確たる足場を築き上げるためには、その状況を正しく把握し、より確かな施策を展開していくことが肝要となります。

ぜひ当レポートを今後の施策策定のための材料としてお役立てください。

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