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中国市場で勝つために…

素早く効いて体に優しい 日本の普通の風邪薬が神薬になるわけ
中国消費者から熱い視線を注がれている日本の商品は多々ある。スキンケア、ベビーマタニティ、そして「薬」。特に日本ではあまりに一般的過ぎて気にしたことのない「風邪薬」も中国では「日本の神薬」の列に加わっている。 今回はクチコミデータから中国消費者の日本の風邪薬への印象を紐解いてみよう。 おさらい、中国消費者の日本神薬人気 中国の消費者の間で日本の薬、特に処方箋のいらない第1類から第3類までの医薬品(中国では「非処方薬」「OTC」などと呼ばれる)人気は広く知られている。 2015年ごろからのいわゆる爆買い初期に

今は「中国」がカッコいい! 地方市場の若者をがっちりとらえた「国潮」
近年、中国市場もターニングポイントを迎えている印象がある。その一要因として挙げられるのがローカルブランドの台頭と、国内ブランドを選ぶようになった中国消費者である。 特に近年「中国っぽさ」が若者を中心に熱くなっている。 今回は中国で巻き起こっている、中国デザインブームを見ながら、中国地方市場について考えてみよう。 「国貨」と「国潮」。二つの「国」ブームとは 2018年ごろから巻き起こっているのが「国貨」ブームだ。これは、いわゆる「国産ブランド」、中国独自ブランドのこと。 代表的な例を挙げればス

春節間近。中国人観光客人気スポット再確認 地方創生までの道のりはいかに?
間もなく春節。夏休み、国慶節と並ぶ中国からの訪日シーズンである。今年はオリンピックを控えながら、年初になって新型肺炎という不安材料も伝えられている。 しかしながら、2020年も中国からの観光客はインバウンド消費の中核をなすことは間違いない。 そんな中国訪日観光客は今、どんなスポットを目指しているのだろうか。トレンドViewerの「行った」ランキングから見ていこう。 クチコミデータで見る人気スポット振り返り まずは、中国の観光地でどんなスポットが人気なのか、その推移を見てみよう。トレンドViewerの「行っ

2020年も中国から目が離せない 注目すべきトピックスは?
いろいろあった2019年もようやく過ぎ去り、2020年、日本にとっては非常に重要な一年が始まった。来るべきビッグイベントに向けて、日本の企業でも準備が進められている。 その中で重要なポジションを占めるのが「中国」。その消費者の動向は、中国事業担当者ならずとも注目しているところだ。 そこで2020年のスタートは、少しマクロな視点から今年の中国市場を戦うための重要トピックスを確認していこう。 中国でも熱気高まる下沈市場 現在、中国国内でも注目されているのが3線都市以下から農村にかけての政策である。  

2019年中国マーケ業界ホットワード 「盲盒」に2020年も注目
2019年には多くのキーワードが中国マーケティング業界で注目された。2線、3線都市市場を示す「下沈市場」、ダブルイレブンで猛威を振るった「ライブコマース」、「KOLからKOCへ」などなど、まさに猛スピードで変わり続ける中国消費者の心に刺さるマーケティング手法も、大きく変化をしている。 そんな中国のマーケティング業界でにわかに注目を集めたキーワードが「盲盒」。今回は日本ではあまり知られていないこのキーワードを読み解いていこう。 「盲盒」とは果たして何者か? さてこの「盲盒」。中国語のできる人でも、ぱっと思い

中国消費者「買った」日本商品ランキング2019 ~化粧品セグメント~
日本の企業が熱い視線を注いでいる中国の美容・コスメ市場。2019年の状況を、トレンドViewer「買った」ランキングのコスメ・美容セグメントのクチコミ状況を見てみよう。 昨年比40%増。ますます加速するコスメ・美容市場 まずはクチコミ件数の推移を確認しよう。 【グラフ】コスメ・美容セグメントのクチコミ件数推移 これを見ると、コスメ・美容セグメントのクチコミ総数は2019年10月末時点で約468万件。2018年が330万件余りであったことと比較すると、40%以上の伸びを見せている。 伸長の背景

編集長のつぶやき~自分はまだ中国を知らない~
毎日のように中国のニュースや中国SNSを見る。中国の人たちと中国語で話をする。そんな生活を送っているのであるが、いや、そういう生活を送っているからこそ「自分は中国のことを知らなさすぎる」と感じることがある。 今回は通常の中国トレンドExpressとは少し趣を変え、編集長のボヤキにお付き合い願いたい。 中国語で「有事没事~」という表現がある。日本語で言えば「何かにつけて(目的のあるなしにかかわらず)」といった意味になるだろうか。 私にとっての「小紅書(RED)で検索する」ことがそれにあたる。

今ドキ中国消費者解体新書 「カスタマージャーニー」で見える中国市場攻略法 Vol.9 ~買いか否か。購入ボタンは熱く冷静な戦いの結果~
これまで見てきた中国消費者の情報収集、比較分析。これらはすべて商品を「買う」ための努力であった。では実際に「買う」時には、気楽に購入ボタンをクリックしているのだろうか? そこには、情報分析と同じかそれ以上の熱き“冷ややかな”戦いがあったのである。 複雑化がますます進む購入チャネル。中国消費者は? まずはおさらいとして、中国消費者が購入する「場所」を整理してみてみよう。 中国でのショッピングといえば、まずはECであり、すぐにアリババグループのTaobao、T-Mall、そしてそのライバルであるJD.comな

日本企業を悩ませる中国商標問題 ~最新判決から考える~
日本を含めた海外ブランドが中国市場で突き当たる問題の一つが「商標権」の問題。明らかな模倣商品などに関しては法律の保護もあり、戦うことができるのであるが、商標に関しては勝手が異なる。 先日中国で判決が下された日本大手ブランド敗訴の商標裁判を見ながら、何をしていくべきかを考えよう。 戦い続けた良品計画だったが 12月11日、中国で日本の良品計画と中国の北京棉田紡績品有限公司との商標権の争いについて、二審判決が言い渡され、良品計画側が敗訴し、北京棉田紡績品有限公司対して62万6000元を支払うよう命じられた。