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⽇本ブランドの「共同戦線」で世界へ挑む
2026年4⽉9⽇、株式会社NOVARCAは完全招待制セミナーを開催しました。
NOVARCAは「世界中に新しい架け橋をかける会社」を意味する社名のもと、2015年に「⽇本企業を世界的に強くする」というミッションを掲げて創業。
代表取締役社⻑CEOの濱野智成は、自民党や経済産業省が推進する⽇本のビューティ成⻑産業戦略づくりにも関わり、官⺠横断で⽇本ブランドのグローバル化を後押ししています。

株式会社NOVARCA代表取締役社長CEO 濱野智成
市況解説で⽰されたのは、訪⽇外国⼈観光客の構成が中国⼀辺倒から韓国・台湾・⽶国へと急速にシフトしている現状、2021年のピーク以降は減少傾向に転じている⽇本の化粧品輸出。

⼀⽅で、⽇本からの輸出型越境ECは拡⼤傾向を続けており、世界のEC市場ではソーシャルコマースが急成⻑。
中国市場の化粧品シェアでは抖⾳(中国版 TikTok)がアリババを抜くなど、チャネル構造そのものが⼤きな転換期を迎えています。

「中国インバウンドが減ったからといって施策を抑制するのではなく、どの国・どの顧客が⾃社で捉えられるかを⾒極めることが重要」
転換期の処⽅箋として打ち出されたのが、インバウンドを起点にグローバルファンを増幅させるNOVARCAの提唱する「オールバウンド戦略」です。

「本来は公開されないような事例も含めて分かち合い、⽇本ブランドの世界的プレゼンスを共に⾼めていきたい」 そんな想いこそが、業界横断で知⾒を結集させる「⽇本ブランドの共同戦線」を築く原動⼒です。
花王株式会社、コーセートラベルリテール株式会社、株式会社uka。
業界を牽引する3社のキーパーソンと共に、⽇本ブランドが世界的プレゼンスを⾼めるための実装シナリオを紐解いていきます。

Session 1:花王
⼤規模な組織を動かす「スモールスタート」の機動⼒
花王株式会社 ヘルスビューティーケア事業部⾨ スキンケア事業部 ビオレ事業部⻑の⼩林恵美⽒が登壇。「めぐりズム」がグローバル市場で再加速を遂げたプロセスを共有しました。

【セッションのポイント】
▼課題
• グローバル戦略の再定義:国内成功体験の翻訳展開に留まり、現地⽣活者に深く刺さる独⾃の価値提案が不⾜
• ⽂化・インサイトの壁:⽇本視点だけでは捉えきれない地域特有のニーズへの対応が急務
• 海外展開の難航:競合の多い市場で「リラックス・休息」⽂脈での差別化が困難に
▼施策
• 既存ブランドの再定義:「リラックス・休息」から「循環ヘルスケア」へとリブランディングを断⾏
• 「Small Start × Speedy」の実践:韓国⼈観光客×福岡×ドン・キホーテへ徹底的に絞り込み、短期で成功事例を構築
• 現地起点のコンテンツ共創:翻訳ではなく、現地 KOL と協働で⽂脈ごと再設計
▼成果
• 韓国×福岡×ドン・キホーテ1店舗で出荷14.5倍を達成
• ターゲット国のKOLとの共創モデルが他カテゴリ(炭酸⻭磨き)にも展開され、再現性ある「型」を獲得
• 北⽶華僑圏向けの正規流通化により、グレー流通からの脱却を実現

花王株式会社 スキンケア事業部ビオレ事業部長 小林恵美氏
1. 既存の訴求を脱却し、ブランドを「循環」へ再定義
めぐりズムのグローバル展開において、花王は差別化の再定義という⼤きな挑戦に取り組みました。国内で強みとしていた「休息・リラックス」という⽂脈は、競合の多い海外市場では独⾃性を発揮しにくいという課題があったためです。そこでブランドの技術的オリジンに⽴ち返り、温熱や蒸気で⾎流を促進させる「循環ヘルスケア」という新たな⽂脈へとリブランディングを断⾏。これは単なる⾔葉の置き換えではなく、現代⼈の健康課題に正⾯から応えるソリューションへの進化を意味しています。

2. 「Small Start × ワンチーム」── 韓国×福岡×ドンキでの実装⼒
戦略の核⼼として⼩林⽒が掲げたのが、「Small StartでSpeedyに、好事例を⼀気につくりあげる」という徹底した実践主義です。
同社は、韓国⼈観光客の熱量が⾼い「福岡のドン・キホーテ」を主戦場に選定。
韓国からの⽞関⼝である福岡の地理的優位性と、免税⽐率の⾼さという明確なデータに基づく意思決定でした。

実装にあたっては、本社の事業部、現地法⼈の花王韓国、九州リージョンの販売部⾨、グローバルチェーンストアを管轄するチームが、部⾨の垣根を越えてワンチームを編成。通常は独⽴して動きがちな複数部⾨が「福岡での成功」という共通⽬的のために連携したことで、施策の精度を極限まで⾼めています。
「まずはスモールスタートで確かな勝ち筋を証明し、その再現性を確認する。
このプロセスこそが、戦略を確実に機能させる要です」と⼩林⽒は振り返りました。
長年にわたって花王のオールバウンド戦略を伴⾛してきた濱野は、この取り組みについて「⼤規模な組織でありながら、本社・現地法⼈・販売部⾨までを横断して⼀つのチームを組める巻き込み⼒こそ、花王の本質的な強み」だとコメントしました。
花王社内では、経営会議の場でも「オールバウンド戦略」というワードが共通⾔語として浸透しつつあり、組織全体での実装が加速しているといいます。

▼旅前・旅中・旅後までを構造的にNOVARCAのソリューションでつなぎこむ

3. 現地インサイトから⽣まれた価値訴求「ラムネ味」の衝撃
施策を最終的な成果へと導いたのは、徹底した現地視点の取り込みでした。
「めぐりズム炭酸脚シート」では、在日韓国KOLとの座談会から意外な事実が見えてきました。メーカー側が当初想定していなかった、現地インサイトから生み出した価値訴求こそ、現地生活者を最も惹きつけるというのです。
こうしたインサイトは即座にデジタルコンテンツへ反映され、福岡のドン・キホーテ1店舗での展開でセルイン(出荷)数は日に14.5倍に跳ね上がりました。同社が⻑年踏襲してきた「⽇本で作った商品をハングルに翻訳して並べる」というアプローチからの脱却を意味する、転換点となりました。
⼤規模な組織でありながら現場の微細な気づきを即座に戦略へ昇華させる「柔軟な実装⼒」が鮮やかに証明された瞬間です。
さらに⼩林⽒は「国内で実績を作ることが、海外法⼈での交渉⼒を⾼めることに繋がる」とも振り返りました。⽇本のリテールで売れているという事実が、現地ディストリビューターへの強⼒な交渉カードとなり、インバウンド施策がアウトバウンドの推進⼒へと循環していく構造が⽣まれています。

4. 華僑圏という新たなフロンティア ── 北⽶市場での正規流通化への挑戦
オールバウンド戦略のもう⼀つの軸が、世界に約5,500万⼈とされる華僑圏への展開です。⽇常的に「巡らせて整える」健康観を持つ華僑層は、めぐりズムのブランド哲学と親和性が⾼いと考えられています。
そこで花王が着⼿したのが、北⽶市場における華僑圏向けプラットフォームでの正規流通化です。
それまでは⾮正規ルートで商品が乱⽴し、価格も乱れ、本来のブランド価値が伝わらない状況が続いていました。NOVARCAと共に、商流・物流の整理から、現地で「使いたくなる」翻訳での情報発信までを⼀気通貫で設計。価格秩序とブランド価値の両⽴を実現しました。
「ブランドを愛してくれる⼈に、正しい価値を届ける」というオールバウンド戦略の本質を体現する取り組みです。
濱野は「正規流通化はクロスボーダー流通が当たり前になっている今、⾃社チャネルでブランド価値をどう守るかという業界共通の課題。そこに花王のような⼤⼿が本気で取り組むこと⾃体が、業界全体への⼤きなメッセージになる」と評価しました。

Session 2:コーセートラベルリテール
「旅の出会い」を⽣涯続く関係性の起点にする
コーセートラベルリテール株式会社(以下 KTR)代表取締役社⻑の⽊瀧寛⼈⽒が登壇。免税(トラベルリテール)とアメニティ事業という、旅における⼆つの重要な顧客接点を融合させた、⽴体的なマーケティング戦略を共有しました。

【セッションのポイント】
▼課題
• 顧客接点の⼀過性:免税チャネルは「旅先での購買」という⼀度きりの接点になりやすく、帰国後のリーチが困難
• 部⾨間のサイロ化:国内ローカルチーム・海外ローカルチーム・免税チームが個別KPIを追うことで、お客様の体験が分断
• IDの取得難易度:免税では顧客IDの取得が業界共通の課題
▼施策
• 「旅マエ・旅ナカ・旅アト」の⼀気通貫設計:ホテルアメニティでの「体験」を起点に、免税店での「購買」、SNSでの「対話」までを⼀本の線で接続
• LINE 公式アカウントによる ID 基盤の構築:免税店購⼊時の連携で帰国後も継続するデジタル接点を確保
• ⽴体的なブランドプレゼンス施策:コスメデコルテによる大谷選手を起用したプロモーションを免税チャネルでも展開、雪肌精「SAVE the BLUE」等の SDGs活動の世界展開
▼成果
• LINE公式アカウントで約2万8,000⼈のID基盤を構築
• 環境保全活動「SAVE the BLUE」が 「Moodie Awards 2026」で最優秀賞を受賞
• 「旅マエ→旅ナカ→旅アト」を⼀気通貫する⽴体的マーケティングモデルを確⽴
1. グローバル市場を牽引する、戦略的ショールーム化
コーセーグループ全体が2030年に向けて海外売上⽐率の拡⼤を掲げる中、世界中のトラベラーと接点を持つKTRの役割は極めて重要です。⽊瀧⽒は、免税店やホテルを単なる「販売チャネル」ではなく、ハイプレステージブランドの価値を世界へ発信する「戦略的ショールーム」として再定義。

この視点の転換により、ブランドと新しい顧客が出会う最前線としての機能を最⼤化させています。「お客様」を「トラベラー」と呼び、そのジャーニー全体に寄り添うという姿勢は、KTRの全社員に共有されているといいます。
「私⾃⾝も旅⾏が⼤好きですし、トラベラーとしての視点を⽇々持ち続けることが何よりも重要です」と⽊瀧⽒は語りました。

5年にわたる KTR との協業を通じて⽊瀧⽒を⾒てきた濱野は、その視座について「⽊瀧さんは元々コスメデコルテなどハイプレステージブランドのマーケティングを⼿がけてきた⼈物。そのバックグラウンドがあるからこそ、トラベルリテールという領域にも『ブランド体験を⾼める』という視座を⼀貫して持ち込めている」と語ります。
プロダクトを売るチャネルではなく、ブランド体験を育てる場として捉え直す。この発想こそ、KTRの戦略を⽀える根幹です。

2. ⼤⾕翔平選⼿を起点とした、デジタルによる「線」の構築
KTRが推進する核⼼戦略が、免税店での「購買」とホテルでの「体験」を⼀つのストーリーで繋ぐ取り組みです。代表的な事例が、⼤⾕翔平選⼿を起⽤した「コスメデコルテリポソーム アドバンスト リペアセラム」のキャンペーン。

ホテルや空港ラウンジでのサンプリングで「体験」を創出し、免税店のポップアップイベントでの「購買」へと誘う緻密な導線を設計しました。
さらに重要なのが、購⼊後の関係構築を⽀える LINE 公式アカウントの活⽤です。
免税業界共通の課題であった「顧客ID取得難」を、LINEを通じた接点づくりで解決。
登壇時点で約2万8,000⼈のユーザー基盤を確保し、帰国後のリピート購買やキャンペーン情報の提供を可能にしています。
⼀過的な「点」の接点が、継続する「線」の関係性へと昇華された瞬間です。
3. 多⾓的な接点によるブランドレピュテーションの構築
⽊瀧⽒は、サウナ施設における「冷やし雪肌精」の展開や、環境保護活動雪肌精「SAVE the BLUE」の沖縄・中国海南島での実装事例も紹介しました。


これらは単なる話題作りではなく、お客様の⽇常や価値観に寄り添うことで、ブランドへの信頼を多⾓的に積み上げる試みです。
特にこの取り組みは、免税業界で最も影響⼒のある 「Moodie Awards 2025」で最優秀賞 を受賞しました。「免税事業部がここまでするのか」と業界内でも話題になった、地道で本質的な取り組みが国際的な評価を得た象徴的な事例となっています。

4. 「部⾨横断」のマインドセットによる全体最適の実現
KTRの戦略を⽀えているのは、部⾨ごとの短期的なベネフィットを超え、ブランド全体の未来を俯瞰する「部⾨横断的な意識・視点」です。
⽊瀧⽒は、KTRの売上だけでなく「コーセーグループ全体の売上が上がることの⽅が重要」だと社内外に伝えています。
⼤規模な組織で起こりがちな部⾨間のコンフリクトを乗り越え、お客様にとっての価値を最優先する全体最適のマインドセット。
これこそが、複雑な旅の動線を⼀本のストーリーに繋ぎ合わせるための核となることが⽰されました。
濱野は、「⽊瀧さんと話していて何より印象的なのは、KTR の売上を上げたいという以上に『ブランド全体の売上が上がることがコーセーグループにとっての成⻑』という視座を常に持っていること。
それなくして、トラベルリテールがブランド全体の価値を循環させる役割は果たせない」と、KTRの戦略の核⼼を解説しました。
短期的な事業KPIに閉じず、ブランド全体の⻑期成⻑を起点に判断する経営姿勢こそ、KTRの取り組みを際⽴たせている要素です。

コーセートラベルリテール代表取締役社長 木瀧 寛人氏
▼NOVARCAと共に推進してきたオールバウンド施策(例)

Session 3:uka
80年の歴史が紡ぐ「体験価値の追求」と独⾃性
株式会社uka 取締役副社⻑COOの⼩笹和洋⽒が登壇。
1946年創業、80年の歴史を持つサロン発のブランドとしての歩みと、その独⾃性を⽀える「体験価値」を核とした戦略を共有しました。

株式会社uka 取締役副社長COO 小笹 和洋氏
【セッションのポイント】
▼課題
• 体験価値の希薄化リスク:⾼品質な対⾯サービスを核とするブランドにとって、急激な事業拡⼤は本質的価値の毀損に繋がる懸念
• 海外展開の難しさ:「体験の輸出」が本質的に困難なブランド特性
• マーケティング予算の制約:⼤⼿と同じ⼿法では戦えない事業規模
▼施策
• サロンを全戦略のコアとする⽅針:店舗数を絞り、品質を維持
• 直営店・直営 EC を「体験を伝えるメディア」として機能化
• ⽇本固有の植物原料(クロモジ、ヘナ、⽉桃等)を独⾃性の核に据える
• インバウンドを「体験輸出の難しさ」を超える戦略的接点としてソーシャルコマースで再定義
▼成果
• 直営店のインバウンド客⽐率が 2%→10%以上 に急成⻑(宮下パーク店 15%、京都店20%)
• マーケティング予算ほぼゼロでも、ロイヤルカスタマー基盤の着実な積み上げを実現
• 海外事業の着実な売上・収益の拡⼤
1. 80年の歴史と「サロンが原点」というブランド哲学
ukaの原点は、80年前に創業した⼀軒の理髪店にあります。

1946年、戦後の⼩屋からスタートした事業を、創業家である向原ファミリーが3世代にわたり育ててきました。
2009年には屋号を「uka」へとリブランディング。
現在は、創業家の渡邉季穂会⻑と、元・博報堂で約 20 年のマーケティングキャリアを持つ渡邉社⻑の体制で、ファミリー経営を貫いています。⼩笹⽒は、ukaが「⼈が⼈にサービスを提供する」サロンという場所を、すべての活動の起点に置いていることを強調しました。
「私たちは⻑く続く美しさを⼤切にしています。だからこそ、無理な拡⼤を追わず、現場の技術者が⼼から納得したものだけをお客様に届けるというスタンスを貫いています」
このブランド哲学は、社内でも徹底されているといいます。
濱野が紹介したエピソードとして、先⽇の uka のイベントで、渡邉社⻑がNOVARCAのプラットフォームのセラー(販売員)に向けて「無理に売らないでください。共感してくれる⼈だけに届けてください」と語っていたといいます。
短期的な数字よりも思想への共感を優先する姿勢が、結果としてお客様との揺るぎない信頼関係を築く礎となっています。

2. 直営店・直営ECに広げる「サロン体験」
ukaは現在、東京を中⼼に5店舗のサロンを運営。
⼀時は店舗数を拡⼤した時期もありましたが、サロン体験のクオリティを守るため、2020年に 5店舗・約120名(社員の約半数がサロン勤務) という体制に絞り込みました。
この体験を広げる装置として、6年前から展開を始めたのが直営店ストアと直営ECです。直営店では、サロンの技術を学んだメンバーがブランドの世界観を直接届けます。⼀⽅、直営ECは単なる販売の場ではなく、「メソッドを伝えるメディア」として位置づけられているといいます。
「私たちは物を売る場所ではなく、ukaの考え⽅を伝えるためにECを運営しています」

サロンのメンバーが商品開発に直接関わり、スタイリスト・スパリスト・ネイリストといった専⾨家の納得感を伴うプロダクトしか世に出さないという、徹底した「現場発」の哲学がそこにあります。
このサロン体験の延⻑線上には、三越伊勢丹をはじめとする百貨店との取り組みも広がっています。
新宿伊勢丹本館にもコーナーを構え、ブランドの世界観を百貨店という舞台でも丁寧に伝えています。
濱野は、「三越伊勢丹さんが越境EC事業を始める際にも『キラりと光る⽇本のブランドを世界に広げたい』という⽅針が⽰されており、uka はまさにその象徴的なブランドの⼀つだった」と、業界横断的な評価について補⾜しました。
3. ⽇本独⾃の原料が紡ぐ、揺るぎないブランド独⾃性
ukaの独⾃性を⽀えるもう⼀つの柱が、⽇本固有の植物原料への徹底したこだわりです。代表的な存在が、頭⽪や肌を整える効果を持つ⽇本固有の植物「クロモジ」。
2024年には、クロモジを贅沢に使ったシャンプー・コンディショナーをリニューアル発売しました。さらに⽉桃、⽶発酵液、⽯垣島産のヘナといった⽇本独⾃の原料を、サロンメソッドの⼀部として商品設計に組み込んでいます。

「⽇本独⾃の原料は、他国では真似ができない」
⽇本のビューティ産業の国家成⻑戦略づくりに関わる濱野も、この観点に強く共感を⽰しました。
研究開発⼒やテクスチャーの良さに加え、⽇本固有の原料という独⾃性が、グローバル市場でukaを差別化する強⼒な武器となっています。
クロモジは古くから⽇本でお茶や薬⽤植物としても親しまれ、抗菌作⽤も期待される⽇本固有の植物です。
ukaでは葉や枝の精油を贅沢に使⽤し、シャンプー・コンディショナーに活⽤しています。⽇本ならではの原料に深く向き合い、それをサロンメソッドと結びつけて商品化する。この⼀連のプロセスが、安易に真似されにくい強固なブランド資産を形作っています。

4. インバウンドの急成⻑が⽰す、uka のオールバウンド戦略
これまでukaは、NOVARCAと共にソーシャルコマースによる海外販路を開発し、順調に事業を伸ばしてきました。その戦略は、欧米での展開や海外現地でのポップアップなど基本的に「アウトバウンド(輸出)」中⼼に展開してきました。
しかしながら、⼈が⼈に提供するサロンの本質ゆえに「体験の輸出」は簡単ではありません。そこで⼩笹⽒が語ったのは、オールバウンドを起点とする戦略への転換です。
直営店のインバウンド客⽐率は、これまで約 2%程度でしたが、現在は10%以上に急成⻑。宮下パーク店では15%、京都店では20%にも達しています。
「⽇本に来たらukaに⾏ってみよう」という認知が広がり、サロンで初めて深い体験をした⽅が、帰国後に EC やコミュニティを通じてブランドと繋がり続けます。
アウトバウンド向けのセラーには、サロン体験やブランドや商品の深い理解を促進するワークショップでブランド理解と熱量を高めます。
サロンで⽣まれる信頼と評判を起点に、インバウンドとアウトバウンドの導線をつなげます。

⼩規模ブランドだからこそ実現できるオールバウンド戦略の理想形が、ukaの取り組みから⾒えてきました。
濱野は、ukaの戦略について「限られたリソースの中で着実にロイヤルカスタマーを積み上げ、⻑期にわたって伸びていく姿勢は、100年続く⽼舗ブランドの戦い⽅に近い」とコメントしました。
実際、NOVARCAとの約4年の協業の中で、ukaの中華圏でのトランザクションは右肩上がりに成⻑し、今年からは中華圏全体のマスターディストリビューター契約を結ぶに⾄っています。⼤⼿ブランドのオールバウンド戦略とは異なる、独⾃のアプローチで世界に挑む uka の歩みは、これからの⽇本ブランドが学ぶべき重要なモデルケースです。

⽇本ブランドの世界戦略を⽀える「架け橋」として本セミナーを通じて浮かび上がったのは、市場のボラティリティに翻弄されるのではなく、⾃らの強みを核とした「循環」を能動的に築き上げるという3社共通の確固たる姿勢でした。
・メガブランドが「Small Start × ワンチーム」の機動⼒で実装する花王。
・トラベラーの旅を⼀気通貫で繋ぐ⽴体的マーケティングを描く コーセートラベルリテール。
・サロン体験を核に、独⾃性で世界に挑むuka。
アプローチは異なれど、いずれも「⽇本ならではの強み」を起点としたオールバウンド戦略である点で共通しています。
「グローバル市場で何から⼿をつけるべきか分からない」「インバウンドとアウトバウンドが分断されている」「⾃社の強みを起点とした世界戦略を描きたい」
そうした課題をお持ちの企業様は、ぜひ⼀度 NOVARCA にご相談ください。
NOVARCA はこれからも、⽇本ブランドの世界的プレゼンスを⾼める「架け橋」として、業界横断の知の共創を⽀え続けていきます。
